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主にゲームやWebネタのことに関するblog。書籍、創作ネタは別のblogにて。


by y_ayato
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ベルウィックサーガ-1 コラム

メモがうざいほどたまったので、ここでまとめてみる。

このゲーム(ベルウィックサーガ:以下BS)は既にFEとは別のゲームと考えた方がいいかもしれん。
確かに似た雰囲気はあるけれど、近作からのシステムが前作ティアリングサーガのときより更にFE離れしているからだ。
以下そのシステムの違いと、ポイントをずらずらと上げ連ねる。
攻略を始める前に、下準備と言うか全体的なコラムみたいなものだと思ってくれればよい。





<計算だけでは終わらない>
FEというと、ぶっちゃけ足し算引き算でダメージを計算できる。
敵が自分に向かってくる数を計算し、その敵の攻撃力を見て、自分の防御力から引けばいい。
キャラが死なない限界量などの見分けがある意味楽である。
無論、それをひっくり返すのが『必殺(クリティカル)』なのだが、FE聖戦に至ってはスキル制なので要所でしか恐れる必要は無い。
また武器も使える回数が明示されている。これもFEが計算ゲーになる要員のひとつ。
よく言えば戦略を立てやすく、悪く言えばパターン化と計算によって誰でもクリアできるゲームと言えるのが過去のFE。
「ちょっとまて、回避とか立ち位置による不確定要素はどうなる」と思った方もいるだろうが、それはBSにもあるので比較対照としては弱い。CPUのルーチンもまた然り。
さて、いよいよ違いに触れるわけだがポイントは以下の通り、

1.使用回数の明示制度廃止
2.ダメージのランダム性
3.セルとヘックスの違い
4.武器の多様化

まずは1から。
BSでは武器に明示的な使用回数が定められていない。
耐久度がS>A>B>C>D>Eとあり、武器を使うと武器アイコンの横のランプが青→緑→黄→赤と変わっていく。当然赤が一番壊れやすい状態。
しかしこのゲームの中では、壊れるか壊れないかはランダムである。緑からいきなりぶっ壊れることも決して少なくない。しかも color=red>壊れた武器は消滅するので、FE聖戦のように鍛冶屋で修復のようなことはない。武器は消耗品である。
(一応リペアストンなる修復アイテムはあるし、一部壊れても消滅しない武器もある)
これによって、武器を複数持たせる必要性や使う時に考える必要性が生まれる。例えば以下の状況など。
1.相手を確実に倒すために[死闘]スキルをしかけたい。
2.命中はお互い際どいが、3回攻撃がHITすれば確実に倒せる。
この状況で、ランプが青の武器と、黄の武器があるときにどちらで攻撃するか。
勿論青を選ぶのが賢い。[死闘]というスキルは使用中に武器が壊れても戦闘は継続するので、壊れた方は一方的に攻撃されるからである。
だが、長い目で見れば黄の武器で戦うというのも一考である。何故なら、青の武器を使用して相手を倒したところで武器が壊れる可能性もあるし、少なくとも緑か黄にはなる。
それによって『壊れるかもしれない武器しかもっていない』という不安要素が生まれる。
逆に黄の武器で戦い、戦闘中に壊れない保証もないし『いつ壊れてもおかしくない武器』ができあがる可能性もあるので、どちらが最良とは言えない。
その場の武器の選択一つ、運一つで今後の戦況を左右しかねないという緊迫感。これは使用回数が見ればわかるいままでのFEには無かったものじゃなかろうか。

次に2だが、一部の武器はダメージがばらつく。スキルでもダメージがばらつく。
槍は大別して2種類あり、一方は走りこみ(マップを移動した距離)によって攻撃力が増加する。ランス系なら下手をすると2倍から3倍の攻撃力になる。
つまり、相手の位置と武器を把握する必要があるし、『騎馬』の重要性がぐんと高まっている。
今までの騎馬系=平地では移動力があって使いやすい、特攻武器が多いので注意、砂漠では使いづらいetcだけのユニットではなくなっている。
短剣という武器はダメージに使用者の筋力がランダムで反映される。防御力無視だが、筋力次第では大きなばらつきがでる。
盾というものもある。盾で防御する確率はスキルや運などに依存するがこれもまたダメージのばらつきを生む。その所為で、今までのようにAで削ってBで倒すのといった戦法が上手くいかない可能性が高まり、難易度を上げている。

3も大きな変化である。
見た目はそう変わらないけど、四角形と六角形には大きな違いがある。接する面の数である。
「あたりまえだ!」と思った人、それがどれだけ大きな意味を持っているかまでわかっているのかね。
今までの四角のマスなら、4人いれば囲める。動きを止めて、間接武器相手ならなすがままだ。
しかしヘックスにおいて囲むのに必要な人数は6人。出撃数が多くても10ちょっとのゲームで、この人数を必要とすることがどれだけの難易度アップにつながるかは、実際やってみないと解らないかもしれない。
壁を作ったつもりが斜めの概念を忘れてするりと抜けられる。慣れないうちはこんなこともある。
また、こんな例もある、

■◇■

■は壁など遮蔽物で、◇が自キャラである。
この場合今までなら直接攻撃を仕掛けてこられるのは、正面からくる一人だが、BSでは三人になる可能性がある。勿論場所によりけりだが。
それを考えるとセルとヘックスの違いは大きく、戦術的にも難易度を上げる要因となっている。

4については、初代FEから徐々に変わってきている点である。
FEの方でも射程3の弓が登場していたりと、変化の兆しは見られるがBSのは多少毛色が違う。
例えば弓兵。今までの概念で行けば、弓兵は隣接して攻撃すれば反撃してこない。だがBSでは違う、弓には大別して弓と石弓があり、石弓持ちは隣接攻撃がメインだからである。
BSは射程が0-1-2とあり、0は隣接(直接攻撃)で剣や斧、槍などで直接切りつける攻撃を意味し、1は隣接(間接攻撃)で槍を投げたり、石弓を撃ったりする微妙な距離での攻撃を意味する。2は遠距離で弓などの攻撃になる。
敵の武器に注意してなければ、姿に惑わされて意外な攻撃をうけることになるし『反撃』の有無というのは戦略的に大きなポジションである。
ちなみに魔法にも射程が存在し、魔法使いでも隣接攻撃をしなくてはならないこともあるので注意が必要だ。

これらのことから、FE系列とのシステム的な違いが見えてくると思う。
BSはランダム要素が高まり、計算ゲーというよりは color=red>運ゲーの要素が色濃く出ている。
良いか悪いかは別として、ね。

その他の大きな相違点として、経験値の取得システムの違いがある。
FEでは敵を攻撃してHITすれば経験値が少しはもらえるシステムで、倒せば大きく増える。
だから、例えばFE聖戦において序章の最後の砦のボスの前にアーダンを置き、後ろにエーディンを付けてターンを進めれば序章でアーダンのLvが20(気合次第では30)になったり、次章でデューのLvを同じ手段で20(同じく気合次第では30)にしたりなんてことができた。
BSでは途中の戦闘では一切経験値が入らず、倒した人か捕縛した人にのみ経験値が加算される。
つまり、究極的には得られる経験値には上限があるということである。
削りキャラはどんなに頑張って削っても、倒せなければ永遠にLvは上がらない。誰で止めを刺すか、それが今までより重要なポイントになっている。
勿論倒した相手のLvが高いほど得られる経験値は多い。だから高Lvの仲間で倒しつづければ得られる経験値は少なく、総合的に軍の平均Lvが下がる。削ってあげることはできないし、フリーマップも用意されていないので敵一人一人の経験値というのは思ったより重い意味を持つことになる。
では、後半で低Lvのキャラを上げる手段はないのかというと、ないことはない。新システム『捕縛』があるからである。
『捕縛』とは敵を『戦闘不能』(『毒』や『眠り』と同列の状態異常だと考えればよい)にすることで、隣接したキャラがその敵を『捕縛』することができるというシステムで、それによるメリットは以下、

・倒した時と同じだけの経験値を入手
・捕縛した敵が持っていたアイテムを入手
・相手が帝国兵の場合は、捕縛した帝国兵をお金と交換(捕虜交換)できる
・相手が賞金首の場合は、賞金が2倍になる

倒すのと捕縛するのでどちらがいいかといえば、全面的に捕縛である。
敵が使っていた武器が手に入れば、最悪武器の枯渇という状況はなくなるし、売って軍資金にすることもできる。捕虜交換や賞金首もそれなりに稼ぎになる。
何より、戦闘力の低いキャラでも経験値を得られるし、捕縛だけならシスターでも可能である。
(しかしよくよく考えると恐ろしいシスターだな)
だが、デメリットもある。
BSのクラスチェンジはFEと違ってアイテムを消費しない。
特定の条件を満たせば、章の幕間でクラスチェンジが行なわれる。特定の条件は、いろいろ過ぎてわからないので現在調査しつつプレイ中である。ネットを駆け回ればそれなりに見つかるんじゃなかろうか。
現在わかっているキャラで、剣の熟練度40でクラスチェンジが発生するキャラがいる。
そういった武器の熟練度等を必要とする場合、捕縛で育てたキャラはLvが高くてもクラスチェンジできない状況になってしまうので、注意が必要ではある。
ただ『戦闘不能』状態にするのにもコツがいるし、確実性はない。これまた運の要素だったりする。

次に戦力の平均化と一般化に触れてみる。
FEに限らずこの手のゲームでは基本的に『主人公たち(顔や名前を持つキャラ)vs有象無象+ボス』という構図でゲームが進行する。BSとてその手の流れを汲んでいる。
だが、有象無象が強いのだ。
やつらは雑魚の癖に主人公たちと同じレベルのスキルを持っていたり、より良い武器を持っていたりすることが多い。中にはこっちがクラスチェンジして初めて覚えるようなスキルを標準装備しているような雑魚までいる。つまり、主人公たちによる大量虐殺ゲーという構図は微妙に崩れている。
実際のところ、こちらが勝てるようにはパワーバランスが整ってはいるものの、決して油断はできないレベルにまとまっている。むしろ、序盤では敵も味方もミスばかりで戦闘が歯痒いほどに進まなかったりもする。
また武器の多様性がここにも影響してくるのだが、FEで防御がMAXになったキャラなどにとって通常攻撃の敵など障害物にしかならない。BSでは短剣は防御無視など、ルールが存在するので地味にダメージが蓄積する。
BSの至上の防御は食らわない事であるが、それだと盾技術を持つキャラがクラスチェンジできなかったりする。(盾が必要ない盾持ちキャラもいるが)
主人公達は序盤で考えると、そこら辺の雑魚とそう大した強さの差は無い。成長していくにつれ、差が生まれていく(スキルの差はそう埋まらないが)、また敵も章が進めば強くなる。
あからさまに頭一つ二つ飛びぬけた強さを持つキャラはそうそういないという特徴もあって、ゲームの難易度が上がる一方であるのは確かな話である。
(というか、雑魚がスキルを持ちすぎなんだ)

最後に傭兵システムについて少しだけ触れておく。
実際のところは傭兵とは名ばかりで、いつか騎士団に入るキャラの予備軍なわけだが、それでもやはり傭兵だと感じさせるものがある。
何故か。答えは騎士団だけでクリアできないことはないが、補うものがそこにあるからである。
例えば戦力面。騎士団初期メンバーは揃ってレベルが低い、ウォードというジェイガンやオイゲンやオイフェのポジションのキャラはいるものの、全体的な戦力は低い。
そこで傭兵を雇うわけだ、実に理にかなっている。ウォロー、シルウィス、クリフォードなど高Lv高能力、高級装備に身を包んだキャラを雇えば、クリア不可能と思っていたステージもクリアすることができるかもしれない。
逆に傭兵の癖にLvが低いものもいる、こちらは育てる楽しみを見出す人用である。うちのようにクラスチェンジ後のキャラなど使うに値しないと豪語する人間には、難易度が上がっても低Lvキャラの方が喜ばれるからでだろう。実際ルヴィやサフィアなどは1軍で頑張っている。
また傭兵が傭兵たる要素に、特殊な技能がある。
盗賊の開錠や船乗りの水上移動、ドラゴンナイトの空中移動等で、これも必ずしもなくてはならないというわけではないが、お金を払って彼ら(彼女ら)を雇うことでスムーズな進軍を遂げられるという非常に理にかなったシステムになっている。
しかしそれだけではストーリー的盛り上がりに欠けるので、最終的にはイベントを経て騎士団入りする事になるのだが、それはまぁゲーム上しかたがないのかもしれない。
ちなみに『騎士団メンバーしか出撃できない』ということは今のところ無いので、傭兵に頼りきって全く育っていなくてもクリアできないことはないと思われる。
(騎士団メンバーが強制出撃させられるステージもあるが、一人程度なので問題はないだろう)

長らく語ってきたが、これがざっと見たFEとBSの違いである。
細かい違いはもっとあると思う。だが、これだけの大きな違いがある以上、これは新しいゲームだと思ってやった方が飲み込みやすいと思われる。
FEの延長線上でBSをやると詰まる可能性があるので、まず先にこの長ったらしい文章を書いてみた次第であります。軍曹。
by y_ayato | 2005-06-08 22:35